絵本紹介『せいめいのれきし』

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せいめいのれきし [ バージニア・リー・バートン ]
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フルタイムで共働きで働く私たち夫婦は、動画やゲームに幼い息子の子守を任せて家事をしたり自分の自由な時間を作ったりしていました。
その結果、当時4歳の息子が動画やゲーム漬けになり、朝起きてから眠るまで口を開けばゲームのことばかり話すようになりました。
そんな状況に危機感を覚え、ゲームや動画に頼らない育児をはじめた頃に読んだ絵本ですが、ただ読み聞かせるだけではもったいないとても素敵な作品です。

内容を簡単に紹介すると、地球がどのように作られ今のような環境になっていったのか、生物がどのような栄枯盛衰をして今のような生態系ができたのか、タイトルのとおり「せいめいのれきし」が端的に描かれています。

この絵本は息子のお気に入りの一冊で定期的に読み聞かせをおねだりされるのですが、微生物から始まって魚類が繁栄した時代があったり、恐竜が栄えたりといった、大きな流れのなかの一つの時代が時系列にページ毎にまとめられていて、毎回反応がいいページが変わるので一緒に読んでいてとても面白いです。

おそらくこの絵本を読んでいる最中、こどもから「なんで?」「今もいるの?」「どのぐらいの大きさ?」など、怒涛の質問攻めにあうと思います。「生命の歴史なんてちゃんと勉強したことないし、答えられなかったらどうしよう…」と不安に感じるかもしれません。でも安心してください。正しい答えなんて持ってなくても大丈夫なんです。
私も最初はそうだったし、全然読み進められないので正直なところ少し鬱陶しいなとすら思っていました。
でも、正しい答えを教えるのではなく、質問について対話しながら一緒に考えることを重視するようにしてからはその悩みは完全になくなりました。
その時重要なのは「正しい答えを導き出す時間」ではなく、「思ったことを伝える練習の時間」と意識することです。
正しい答えなんて別の機会に学べばいいんです。
それに加えて私が意識しているのは、言っていることがよくわからないときは正直に「どういうこと?」「どうしてそう思ったの?」と質問するようにしています。するとどうやって伝えようか一生懸命考えて話してくれると思います。

それができるようになった今では「今回はどんな話ができるかな」と本当に楽しく愛しい時間に変わりました。
そして、この絵本での対話をきっかけにゲーム以外の色々なことにも再び興味を示し、色んな話をしてくれるようになったように思います。

出版社のおすすめ年齢は中学年からとなっていますが、もっと小さいうちからこの本を一緒に読むことで親子でたくさんのことを考え話すきっかけになるはずです。
ぜひこの本を手に取って、色々知ってしまった大人には出せないとんでもない理論で展開される自由な発想を楽しんでください。