ゲームと動画に頼らない育児

はじめに

ゲームと動画に頼らない育児という文面から「こどもがかわいそう」とか「親の自己満」みたいな意見が出てくるのは十分承知してます。なんなら私自身はゲームで遊んで育ち、ゲームアプリの開発・運営をする会社で働いています。なのでゲームや動画撲滅運動の原理主義者ではありません。むしろもっとみんなゲームしてくれ!課金してくれ!という側の人間です。ただ、育児をしていてゲームや動画に頼りたくないけど頼ってしまうという方に、そんなのなくても工夫次第で楽しく過ごせるということをお伝えしたいと思っています。

私たちについて

私たち家族は夫婦に息子に猫一匹、夫婦は共にフルタイムで働いていて、お互いの実家は遠く頼れないので、妻が復職した頃からほんの少し前までは動画に子守りを任せて家事や自分の時間を作っていました。

そんなある日、私は興味本位で元々ブロック遊びが大好きで、3歳で結構立派な作品を作っていた息子にMinecraftを与えてしまいました。はじめのうちは試行錯誤しながら数日で2階建ての建物を作れるようになったり、ストーリーを自分で考えてごっこ遊びのようなことをしていたりと微笑ましく見ていたのですが、YouTubeで Minecraftを検索できるようになってしまってから状況は大きく変わってしまいました。

悪夢のような日々

とある動画で紹介されたギミックの再現ができたことが強烈な成功体験だったようで、中毒のような状態になりました。遊ぶ時間は長くなり、「早くやめなさい!」を言わない日はありませんでした。さらに朝起きてから眠るまで口を開けばMinecraftの話。妻も私もうんざりしてしまい、Minecraftを渡したのが悪い、動画を見せたのも悪いと夫婦喧嘩も絶えず、振り返ってみると破綻寸前だったと思います。

転機

もう限界となったとき、我が家が下した決断はゲームと動画を断つことでした。テレビは撤去、息子が起きている間はスマホは連絡、撮影用のツールとしてのみ使用、SNSも禁止。

息子だけでなく、親も禁止としたことで納得できたのか、当時4歳だった息子は案外すんなり受け入れてくれました。その分絵本を読んでと言われれば何冊でも読むし、一緒にお絵描きしたいと言われれば飽きるまで付き合います。そんなの無理と思うかもしれませんが、スマホを触らないだけで案外その時間が捻出できたりするものです。

週末の外出先も工夫しています。以前は近所の遊園地の年パスを買って通ったり、大型のショッピングモールやアウトレットモールなどほぼ毎週誘惑に満ちた場所を訪れていました。それが最近では、毎週末図書館に行きその週読む本を一人10冊借り、息子が恐竜に興味を持てば恐竜の展示のある博物館に行き、昆虫に興味を持てば親子で広い公園や河原の草むらを虫取り網を手に駆け回り、ザリガニが見てみたいと言えばそれまでザリガニ釣りなんてしたことなくてもチャレンジするというように息子の興味のあるもの中心に動くようにしました。正直なところ後始末が面倒くさい、紙を水に入れたらどうなるの?的な謎の実験だって一緒に取り組みます。子供はその時々で車だったり動物だったり虫だったり石だったり、好きなものがあると思います。それを一緒に掘り下げることでゲームや動画以外に夢中になれるものを見つけてくれるように思います。

ゲームに夢中になっている子でも、そのときハマっているゲームに出てくるものの中から何か一つでも興味のあるものを見つけられたら、それをきっかけにゲームの世界から連れ出せるかもしれません。それが昆虫や爬虫類だったとしても、嫌がらずに付き合ってください。私も虫は苦手でしたが、一緒に昆虫について調べるうちになんだか少しだけ可愛く感じるようになりました。そして息子との共通の話題がたくさん増えました。

とにかくできるだけたくさん話をして、子供が今何に興味があるのかを聞き出し、家族でそれに向きあうことでゲームや動画に頼らなくても楽しく育児ができています。

(息子が興味を持っていることを調べるために、一緒にYouTubeを見ることは今もあります。)